Interview 06

通勤困難な重度障がい者の方々に、 リモートでイキイキ働ける職場を。

障がい者×リモートワーク

インタビュースタッフ

岡崎 正洋 Masahiro Okazaki
株式会社スタッフサービス・クラウドワークエリア統括部 ゼネラルマネージャー
Profile
大学では土木工学を専攻し、テトラポットについて研究。卒業後は、大手流通グループで約16年間人事中心に務め、2003年にスタッフサービスの人事部門に入社。従業員一人ひとりの感情を大切にしながら、企業風土に沿った組織づくりをモットーに、スタッフサービスグループのさまざまな就労環境を整備。2015年9月から、通勤困難な重度身体障がい者の在宅就労事業の立ち上げプロジェクトをけん引し、株式会社スタッフサービス・クラウドワークの礎を築いた。
キャリア
  • 中途入社
  • スタッフサービス、テクノ・サービス 人事部 マネージャー
  • スタッフサービス・ホールディングス 人事部労務課 マネージャー
  • スタッフサービス・ビジネスサポート 総務人事部人事課マネージャー
  • スタッフサービス・ビジネスサポート クラウドワーク統括部 マネージャー
  • スタッフサービス・ビジネスサポート クラウドワーク統括部 ゼネラルマネージャー
  • 現職

Backborn

発展途上の業界で急成長の組織に、挑戦心で飛び込む。

子供の頃からスポーツが好きで、小学生のときはサッカーに夢中でした。中学に入ると、友達に誘われて卓球部へ。高校時代は離れますが、大学ではまた、その対戦相手との駆け引きの楽しさにはまってしまい、卓球に打ち込みました。特に思い出深いのは、主将を務めた大学時代。卓球は個人競技ですが、OB、先輩、同期、後輩と個性派ぞろいのメンバーをひとつのチームにまとめることに当時は右往左往したことが、とても印象に残っています。それぞれの実績、競技への考え方、本当に幅がありました。そういった個性が一つにまとまり連帯感が生まれた時の勢いや楽しさは一生忘れられません。その経験が今の仕事のルーツになっているかもしれません。大学を卒業後は、当時勢いのあった大手流通グループに就職し、約16年人事を中心にキャリアを積みました。ある程度のことはやり切ったと思っていた頃に、信頼できる人から「成長著しい業界で、人事をやってみないか」と声をかけていただきました。それが2003年の出来事で、当時のスタッフサービスは、法改正を追い風に急成長の真っただ中にありました。一方、就労環境や人事制度の仕組みづくりは、まさにこれから。自分のこれまでのキャリアがどこまで通じるか挑戦したい一心で、スタッフサービスに転職しました。

Issue

働く機会を損失した原因の一つは、毎日の通勤でした。

入社当時、従業員の目標達成への強い意識とスピード感に圧倒されました。その一方で職場の環境整備は二の次といった印象でした。例えば、タイムカードがなく、手書きで勤怠記録簿を提出していました。そうした足りない環境を整備したり、管理職への労務管理研修を企画したり、一つずつ、従業員が安心して働けるよう仕組みを整えていきました。そうした中、2012年に特例子会社スタッフサービス・ビジネスサポートの人事マネージャーを拝命。障がい者の採用、雇用を任されました。すべての企業は、従業員数に対して一定割合以上の障がい者を雇用することが法律で義務づけられています。スタッフサービスグループの常用労働者数は派遣スタッフも加えるとグループ全体で約6万人、この派遣スタッフも合わせた数の2.3%を守ることは企業としての責務。事業が成長するにつれ、障がい者の雇用人数の増員されるため、2015年に新しい障がい者雇用の領域にチャレンジすることになりました。リサーチする中で見えてきたのは、日本には、通勤が困難であることを理由に、働くことができない重度身体障がい者の方がたくさんいるということ。とても仕事に前向きで業務は問題なくできても、毎日の通勤となると身体的に大きな負担が生じてしまうこともあるのです。私自身、バリアフリーな環境を整えているつもりでも、個人個人の障害特性にマッチせず、採用を見送るケースが何回もあり、悔しい経験をしていました。また、地方に住まわれている方だと、そもそも通勤圏に仕事がないこともありました。つまり、仕事ができない理由は、本人の体調面だけではなく社会や環境にあるわけです。そこで、在宅就労によって重度身体障がい者の方が働ける仕組みを作ろうと動き出しました。

写真

Solution

オンライン上に、誰もがイキイキ働ける職場を創る。

2015年9月。2名の部下と福岡で重度身体障がい者の在宅就労事業を立ち上げました。ハローワークや地域の障がい者支援機関などを訪問して、重度身体障がい者のテレワークの職場にマッチしそうな方を紹介してもらえないか頼んで回りました。でも、なかなか私たちがやろうとしていることが伝わらない。熱心に通ううちに少しずつビジョンを理解してもらえて、何とか8名を採用。彼らを1期生に事業がスタートしました。私たちが掲げたビジョンは「オンライン上にイキイキ働ける職場を創る」。オンラインの在宅勤務だけど、仲間の存在を感じ、一緒に働く喜びを得られる職場にしたいと考えていました。そこで、1日に20分間のミーティングを3回行うことをルール化。20分のうち10分は雑談です。その結果、想像を上回る連帯感のある職場ができました。「ヘルパーさんが来る時間だから僕が手伝うよ」と協力しあったり、今では新人の育成もほとんど彼らが行うようになりました。また、ご家族からは「イキイキして、本来の性格に戻った」と、施設の方からも「仕事や同僚の自慢話をよくしてくれる」という声をいただきました。中には、身体的な改善が見られたメンバーもいます。発語が難しかった方も、日々の会話を通じて今ではさまざまな人と話せるようになり、食事もハンバーガーまで食べられるようになったそうです。仕事が人生にとってどれだけ価値のあることなのか、Well-beingへの効果を日々感じています。彼・彼女らが積み重ねてくれた働く姿が、この取り組みに信頼感や可能性を生み出し、今では2府28県に展開。316名(※)の重度身体障がい者が働いています。今後の目標は、彼・彼女らの活躍の場が広がっていくよう、社内外の方々と連携しながら職域の幅を広げ、より多くの重度障がい者の方に働くチャンスを提供したい。そしてこの働き方をもっと世の中に広げ、社会課題である労働者不足の解消や地方創生に繋がっていけばと考えています。
※2021年5月1日現在