Cross talk 01

国籍問わず、誰もが働きやすく 正しく評価される日本を。

外国籍人材×多国籍サポート

クロストークメンバー

伊藤 薫 Kaoru Ito
株式会社テクノ・サービスCRM・グローバル部 ゼネラルマネジャー
Profile
銀行で8年間、営業職を経験した後「より自由な環境で、勝負してみたい」とスタッフサービスへ転職。IT部門で約10年、オフィス部門で約10年営業として活躍。東北、神奈川、東京などのユニット長を経て2015年にテクノ・サービスへ異動。2018年からCRM・グローバル部を立ち上げる。
ミランダ ビニシウス Miranda Vinicius
株式会社テクノ・サービスCRM・グローバル部
Profile
ブラジル出身。17歳で来日後、派遣会社に登録し6年間製造業で勤める。その後、飲食店、英会話講師を経て、2016年にテクノ・サービス名古屋営業所に入社。2018 年CRM・グローバル部の立ち上げメンバーとして東京に異動。SNSを活用した募集や、申請書類のわかりやすい解説動画など、いろいろなアイデアで外国籍スタッフをサポートしている。

Backborn

笑いの街で鍛えられた関西人と、母親想いのブラジル人の出会い。

伊藤による発言 私は人情とユーモアの町として知られる尼崎市で育ちました。小さい頃から周りに鍛えられたコミュニケーション力を活かすには営業職しかないと思い、大学卒業後は、「お金」という無形商材を扱う銀行に就職。8年間、法人営業として働いたところで、ある程度やり切ったという感覚があり、新しい挑戦の場を求めて転職を決意。いろいろな業界を見ていく中で、同じく無形商材である「人材業界」に興味を持ちました。特にスタッフサービスは、上昇志向が高くて一番自分のカラーに合っていると感じました。当時の人材派遣はマーケットが小さくて、これから伸びるタイミング。勝負をかけるには面白い環境だと思って入社しました。

ミランダによる発言 私はブラジル出身です。女手一つで兄弟3人を育ててくれた母を少しでも楽にしてあげたいと、17歳のときに来日。それが、15年くらい前の話ですね。まず、たまたまテクノ・サービスの求人を見つけて登録し、派遣スタッフとして製造現場で働きはじめました。日本語がほとんどわからない状態でしたが、営業の方に親切にしてもらったおかげで、6年間も働くことができました。その後は飲食店で働いたり、ブラジルのインターナショナルスクールで英語講師をしたこともあります。子どもたちにどうして英語を話したいの?と聞くと、多くの子が「いい仕事に就きたいから」と答えるんですよね。でも、日本で英語を上達させたところで、いい仕事に就けるとは限りません。彼らが社会に出たとき、その事実を知ったら衝撃を受けるんだろうなと思うと「日本に住む外国人がもっと働きやすい環境をつくりたい」という気持ちが芽生えました。それで、自分が派遣スタッフのときにお世話になったテクノ・サービスに入って、外国籍の派遣スタッフをサポートする側に回ろうと考えました。

Issue

外国人労働者増加の裏で、未解消だった3つの「不」。

伊藤による発言 入社からずっと営業としてキャリアを積んできましたが、2015年、スタッフサービスのグループ会社であるテクノ・サービスの企画部門へ異動になりました。テクノ・サービスでは、製造分野を中心に人材派遣、人材紹介をおこなっている会社です。テクノ・サービスをより拡大するために、新しい施策を考えることが私に課せられたミッション。その際、いろいろなテーマを検討したうちの一つが「外国籍人材向けの派遣事業の本格化」でした。
人手不足を背景に、日本で働く外国籍の方の数は年々増加し、現在約170万人の労働者がさまざまな企業で活躍しています。それでも、外国籍の方に対して門戸を開いていないところはまだ多いですし、実際に働く現場には、解消しなければならない3つの「不」がありました。

ミランダによる発言 1つ目はコミュニケーションの「不」。私も製造業で働いていたときは、まだ日本語がほとんど話せなくて、質問したくてもできないし、周りが優しく教えてくれても理解できなくて、ずっと申し訳なく思っていました。2つ目は労務管理の「不」。年末調整や社会保険など、独特な仕組み、複雑な申請書類など。日本語が話せるようになっても、読み書きはまた別の問題なのです。あまりにも難しすぎて手続きを諦める人も少なくありません。そして、3つ目は労働対価の「不」。日本には外国籍労働者に対する「低賃金」のイメージが残っていて、実際に日本人と比べて給与が低かったり、待遇が異なっている現状があります。単に生まれた国が違うだけなのに。

伊藤による発言 「不」があるということは、それを解決するサービスにはニーズがあるということ。この「不」を解消することこそ、人材ビジネスに携わる私たちの使命なんじゃないか。そんな思いで、2018年に外国籍人材向けの派遣事業を本格的にスタートさせました。

写真

Solution

多国籍チームを設立し、スタッフ・企業・社内を支援。

伊藤による発言 まず、外国籍人材向けの派遣事業を推進する組織を、2名の部下と一緒に立ち上げました。「隗より始めよ」。ことわざの通り、まずは自分たちが外国人と机を並べて働いてみようと、外国籍社員の自社採用をおこないました。その中の一人がミランダです。

ミランダによる発言 私たちの仕事は、外国籍の派遣スタッフ、クライアント、テクノ・サービスの営業やコーディネーターに対するサポート。例えば、外国籍の派遣スタッフには母国語での就業支援や相談を。クライアントには業務マニュアルや書類などの翻訳、営業やコーディネーターには外国籍の派遣スタッフとの間に入って通訳をおこないます。外国籍労働者が抱える3つの「不」を解消するために必要だと思ったことは、何でも実行に移しています。
最近では、英語・ポルトガル語で表記した外国籍派遣スタッフ向けのグローバルサイトを作りました。そこには、求人情報だけでなく、よく問い合わせがある就業ルールや年末調整など複雑な書類の書き方の解説動画などを掲載しています。わかりやすいと好評で、これまでは申告が面倒で還付を受けることをあきらめる人が多かったのに、今では90%以上の人が申告するようになりました。

伊藤による発言 ミランダたちと実際に働いてみると、互いに思いやることで、つたない英語・日本語でも十分コミュニケーションが取れることが分かりました。むしろ、ミランダをはじめとするメンバーも仕事に対する意欲が高く、会社として採用するメリットしかないと感じました。こうした私たちの気付きを、クライアントに伝えることができれば、もっと積極的に外国籍派遣スタッフを採用する企業が増えると確信しました。
そこで、グローバルメンバーと一緒に全国の拠点を巡り、営業の行動を変えるためのプレゼンを実施。徐々に英会話をはじめる人が出てきたり、自分のPCモニタにポルトガル語の挨拶が書かれた付箋を貼っている人がいたり。そうした変化が見えはじめたときに、これはうまくいくという手ごたえを感じました。
2018年は564名だった外国籍派遣スタッフは、2020年945名まで拡大。全国41都道府県557社で活躍しています。一般的には時給1,000円以上の外国籍派遣スタッフが17%程度にとどまる中、テクノ・サービスでは約70%の方が時給1,000円以上で働いています。今後は製造業にとどまらず、事務や医療・介護など幅広い職域にこのサービスを広げていきたいと思っています。